EUのAI規制法が最大2027年末に延期:海外展開企業への影響とは?
- REIKO TOYOSHIMA
- 11月20日
- 読了時間: 3分
2025年11月、EU(欧州連合)は世界初となる「EU AI Act(EUAI規制法)」の本格適用を、当初予定していた2026年8月から最長で2027年12月まで延期する方針を発表しました。
この規制はAIを使う企業にとって非常に大きな影響を持つため、海外でビジネスを展開する中小企業にも無関係ではありません。
EU AI Actとは? 4段階リスク評価の概要
EUのAI規制法では、AIの利用を「リスクの高さ」に応じて4段階に分類しています。
中でも注目されているのが、上から2番目にあたる「高リスク」分野。これは、たとえば採用活動に使うAIや、医療用のAIソフトなどが該当します。
延期の対象は「高リスク」領域
今回延期が発表されたのは、この「高リスクAI」への規制部分。
本来であれば、AIに対して「人間の監視」や「リスク軽減のための管理体制」を義務付け、違反した場合は制裁金も科される内容です。
なぜ延期されたのか?企業側の反発と背景
欧州企業からは、「規制が厳しすぎて技術革新が妨げられる」と強い反発がありました。特に中小企業やスタートアップにとっては、対応コストが大きな負担となります。こうした声を受け、EUは「企業が準備できる時間を設ける」という方針に転換したのです。
規制内容が完全に消えるわけではない点に注意
ただし、「延期=免除」ではありません。
最終的にはAI規制法が本格適用されることに変わりはないため、今のうちから備えておくことが重要です。
延期による中小企業へのチャンス
この延期により、日本の中小企業が欧州市場に入りやすくなるチャンスも生まれています。規制が厳格になる前に、サービスや製品をEU市場で展開することで、早期にプレゼンスを築くことも可能です。
欧州進出企業が今からできる準備とは?
自社のAIサービスが「高リスク」に該当するか確認する
EU向けのサービス利用規約やプライバシーポリシーの整備
人間によるモニタリング体制の検討
法改正を見据えた社内教育の実施
といった、段階的な準備が求められます。
行政書士の立場から見た契約上の注意点
行政書士の視点から見ると、特に気をつけたいのは「契約書の内容」と「輸出入に関わる書類整備」です。
EU向けのビジネスを行う際は、AIの利用目的や判断プロセス、個人情報の取り扱いについて、契約や利用規約などに明記しておくことが将来的に求められる可能性が高いと考えられます。
現時点で義務とまでは言えませんが、欧州の企業や取引先からの信頼を得るためにも、先回りした整備が有効**です。
また、今後の規制強化に備えて、技術内容や輸出対象に関する書類の整理もおすすめです。将来的な許認可申請の円滑化にもつながります。
まとめ:延期を「待つ」のではなく「備える」タイミング
今回の延期は「チャンス」として活かすことができます。しかし、規制は確実に迫っています。対応が後手に回れば、せっかくのチャンスも失われてしまうかもしれません。
今こそ、「自社のAI活用はどのようなリスク区分に入るのか?」「規制対応の準備は進んでいるか?」を確認する良い機会です。
エミリオ行政書士事務所は、海外展開を目指す中小企業の皆さまに、法務面からしっかりとサポートしてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。


