日本企業が直面するGDPRの壁|行政書士が支援する対応ステップとは
- REIKO TOYOSHIMA
- 9月23日
- 読了時間: 4分
GDPRとは?日本企業にどんな影響があるのか
GDPR(一般データ保護規則)は、EU(欧州連合)が定めた個人データ保護に関する法律で、2018年5月に施行されました。特徴的なのは、EU域内に拠点がなくても、EU在住の人に商品やサービスを提供していたり、EUのユーザーの行動を追跡していたりすれば、日本企業も対象になる点です。
「うちは日本の企業だから関係ない」と思っていても、知らず知らずのうちにGDPRの適用対象になっている可能性があります。そして対応を怠ると、罰金や取引停止、企業イメージの失墜など、重大なリスクを抱えることになります。
日本企業が直面する主なGDPR対応の壁
以下は、実際に発生したGDPR違反事例で、日本企業や大手グローバル企業がどのような問題に直面したかを紹介します。
【事例1:NTTデータのスペイン子会社】
スペインにあるNTTデータの子会社が、保険会社向けに提供していたシステムから顧客情報が漏洩し、GDPR違反に問われました。
技術的な安全対策が不十分だった
顧客情報が第三者にアクセス可能な状態だった
約6万4,000ユーロ(日本円で約940万円)の罰金
これは日本企業として初のGDPR制裁金事例で、国内でも大きく報じられました。
【事例2:Amazon Europe】
ユーザーの個人データを用いたターゲティング広告の処理について、適切な同意取得などのGDPR要件を満たしていなかったとされました。
罰金額:7億4600万ユーロ(約971億円)
【事例3:Google(フランスのCNIL)】
ユーザーへの説明が不十分で、同意の取得方法にも問題があったとして、2019年にフランスの監督機関(CNIL)よりGDPR違反の制裁を受けました。
特に問題とされたのは、ユーザーに対して明確な情報提供がされておらず、個人データ利用への同意が自由意志に基づいたものではなかった点です。
罰金額:5,000万ユーロ(約65億円)
GDPR対応で日本企業が注意すべきポイント
よくある質問 | 問題点 | 対策のヒント |
EUに顧客が少しでもいれば対象になる? | はい。EU在住者が対象なら、GDPRの適用を受けます | 対象顧客を見直し、必要に応じてEU代理人を設置 |
どのレベルのセキュリティ対策が必要? | 十分な技術的・組織的な措置が求められます | 暗号化・アクセス制限・社内ルール整備などが必要 |
同意の取り方にルールはある? | 明確で自由な意思による同意が必要です | 分かりやすく、選択肢を示したうえ、いつでも撤回可能に |
情報漏洩が起きたら? | 72時間以内に通報が必要です | インシデント対応マニュアルを整備しておく |
M&Aの際、GDPRまで見る必要ある? | はい。買収先のデータ管理体制もチェック対象です | デューデリジェンスで個人データの扱いも確認 |
GDPR対応のメリットとは?
GDPRにしっかり対応しておくことは、リスクを避けるだけでなく、企業にとって多くのプラスになります。
国際的な信頼性アップ:EU企業との取引でも有利に働きます
情報漏洩リスクの低減:トラブル発生時のダメージを最小限にできます
社内体制の強化:情報管理のルールやフローが明確になり、全体の業務効率が向上します
まとめ:GDPR対応はコストではなく「将来への投資」
GDPRは、「知らなかった」「日本の法律じゃないから関係ない」では済まされません。実際に日本企業が制裁金を受けたケースもあり、無視できない存在です。
しかし、早期に対応を始めれば、リスクを減らし、信頼性を高めるチャンスにもなります。行政書士などの専門家と連携し、自社に合った現実的な対策を講じていくことが、いま求められています。
行政書士に相談する理由と、全国対応のご案内
GDPRのような国際的な法規制は、日本国内の特に中小企業にとってはまだなじみが薄く、対応のハードルも高く感じられるかもしれません。こうした場合、行政書士は頼れる存在です。
行政書士は、法制度や書類作成の専門知識を持ちつつ、相談コストを抑えやすいという点でも中小企業にとって現実的なパートナーです。また、丁寧なヒアリング、企業の実情に即したアドバイスや、以下のような導入サポートを受けられることも強みです。
GDPRの適用範囲の判断
プライバシーポリシーや利用規約の作成・見直し
GDPR対応社内導入サポート
外国語対応のサポート(必要に応じて)
全国対応も可能です。まずは、現状の課題やお困りごとをお気軽にご相談ください。

