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外国人雇用のための異文化コミュニケーション入門|セミナー登壇レポート

2026年3月3日、滋賀県大津市にて、滋賀県外国人材受入サポートセンターが主催する「第2回県内事業者向け 好事例共有セミナー」が開催されました。


本セミナーの最後のセッションで、「外国人材とのコミュニケーション 異文化理解」をテーマに、講師として登壇させていただきました。



外国人労働者の受け入れが進む中で、企業の皆さまから次のようなご相談をいただくことが増えています。


・指示を出しても、思った通りに伝わらない

・「分かりました」と言ったのにできていない

・日本人と同じ感覚で仕事が進まない


こうした問題は、能力の問題ではなく、文化の違いによる認識のズレから生まれることが少なくありません。


この記事では、ほんの一部となりますが、セミナーでお話しした外国人材と働くうえで知っておきたい異文化コミュニケーションのポイントを紹介します。


職場での信頼関係はどうやって構築する?


例えば、日本では


・時間を守る

・ルールを守る

・正確に仕事をする


といった積み重ねが、職場での信頼につながります。


一方、国や文化によっては、プライベートの人間関係を重視する考え方が強い場合もあります。


例えば、国内情勢が不安定で、守るべきルールが一夜にして変わってしまうような歴史を持つ国や地域では、ルールそのものが必ずしも信頼できるものとは限りません。


そのような社会では、個人的な人間関係こそが最も信頼できるものとなり、その場その場で臨機応変に対応する柔軟性が重視されることもあります。


日本の社会で暮らしていると、なかなか理解が難しいかもしれませんが、こうした背景が、職場での仕事の進め方にも影響する場合があります。


人は、思い込みと期待でコミュニケーションを取っている


異文化コミュニケーションを理解するうえで参考になる考え方の一つに、APE分析があります。

APEとは、次の3つの要素の頭文字です。


  • A:Assumption(思い込み)

  • P:Perception(認識)

  • E:Expectation(期待)


私たちは普段、これらをあまり意識することなくコミュニケーションを取っています。しかし、異なる文化の人と接するときには、この3つの違いが誤解やすれ違いの大きな原因になることがあります。


Assumption(思い込み)

人は誰でも、無意識のうちに「こういうものだ」という前提を持っています。例えば、日本の職場では次のような考え方が当たり前になっていることがあります。


  • 指示されたことはすぐ理解するはず

  • 期限は必ず守るべき・上司の意図は察するものだ


しかし、これらは日本の文化の中で形成された前提にすぎません。文化が異なれば、こうした「当たり前」は必ずしも共有されていないことがあります。


Perception(認識)

同じ出来事でも、人によって受け取り方は異なります。例えば、同じ仕事の説明を受けたときに、


  • 「丁寧に説明してくれている」と好意的に感じる人

  • 「細かすぎて厳しい」とネガティブに感じる人


がいるように、認識の仕方は人それぞれです。


人は、これまで経験してきた文化や教育によって形づくられたフィルターを通して物事を見ているため、こうした違いが生まれます。


Expectation(期待)

人は自分自身や周囲の人に対して「こうあるべきだ」という期待を持っています。私たちは日々のコミュニケーションで、無意識のうちに、「こんな反応をしてほしい」と思いながら会話をしているのです。例えば、


  • 上司はこう振る舞うべき

  • 部下はこう行動するべき


といった期待も、多くの場合、無意識のうちに形成されたものです。


そのため、「なぜ相手はそのように行動したのか」と感じたときには、「自分の思い込みや期待が前提になっていないか」を一度見直してみることがとても大切です。


まとめ


このほか、セミナーでは、外国人従業員に職場のルールを説明する際のポイントとして、


  • 「なるべく」などの曖昧な表現を避け、具体的な基準を示す

  • なぜそのルールが必要なのかを説明する

  • ルールを守ることのメリットを伝える


といったコミュニケーションの3原則についてもお話しさせていただきました。


講義内容が、現在、外国人を雇用している、またはこれから雇用しようと思っている企業の皆様のお役に立てれば幸いです。


外国人雇用や在留資格に関するご相談については、お気軽に当事務所までお問い合わせください。


 
 
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